人類は文明のある社会を築いてきましたが、
文明とは一体何なのでしょうか?
なぜ人類だけが文明社会を築くことができたのでしょうか?
文明には良い面だけでなく悪い面もあると思いますが、
ここでは文明について考えたいと思います。
目次(複数ページに分かれた記事もあります)
文明とは何か?文明を簡単に解説!人類が築き上げてきた文明とは?
(出典「photoAC」)
文明は人類がこれまでの歴史で培(つちか)ってきた技術や知識の積み重ねと言えます。
技術や知識を積み重ねることができるようになってきたのは、まず人類が農業をはじめ蓄えることを知り、
一部に余裕のある人ができたことで、考えること、研究することができるようになったことから文明が生まれたと考えられます。
もしも人類の祖先が農業を知らず、狩りをするなどして食べ物を探す暮らしを続けていれば、
物事を考える余裕や、何かを研究する余力は生まれなかったと考えられます。
また文字の存在は記録を残し、後世の人に伝えることに有益で、
例えば地図を作ることにした場合、自分が調べた範囲について文字で記録しておくことで、
次の世代の人たちは、その先を調べれば良いことになりますので、最初から調べるという手間が省けることになります。
そのように同じ分野の研究者たちが、地道に調査や研究を続けてきた積み重ねとして、技術や知識が蓄えられることになりますので、
文明は技術や知識の積み重ねと言えます。
文明とは何か?文明のプラス面とマイナス面
(出典「photoAC」)
また文明によって文明の利器という便利なものがもたらされてきました。
最近ではインターネットがそうですし、少し前は洗濯機や冷蔵庫、テレビや自動車などが作られ、
生活が便利になったことは文明のプラスな面ですし、
冷暖房があれば暑さや寒さをしのぐことができ、体にとっても負担が減ってきた面があります。
また天気予報が分かることで、事前に台風に備えた行動を取ることができることも文明のプラスな面の一つです。
ただ文明によって研究・開発されたものが戦争に使われることがあります。
ノーベル賞を創設したノーベルはダイナマイトを作り、土木工事にも有効活用されましたが、戦争にも使われることになりましたし、
アインシュタインの相対性理論は、核兵器を生み出す理論としても活用されることになりました。
また最近では二酸化炭素の排出によって温暖化も指摘されています。
どんなに便利な文明の利器でも悪用しようと思えば悪用することができますし、
良い方向で活用するのか悪用するのかは、使う個人に委(ゆだ)ねられている側面があります。
私たちは文明の利器をできる限り良い方向で、少なくとも人に迷惑をかけない方向で活用したいものです。
文明とは何か?文明で生活は楽になる?
(出典「photoAC」)
ところで私たちは高度な文明社会に生きていますが、では文明で生活は楽になるのでしょうか?
昔に比べれば洗濯一つ取っても、昔話に出てくるように川に洗濯に行く必要もありませんし、
水道も整備され、ボタン一つで洗濯が終わるという便利な生活ができるようになっています。
生活の一つ一つを取ってみれば、生活は以前に比べれば明らかに楽になっている面はあります。
ただ洗濯機があることが普通、という時代に生まれて育っていると、
そのありがたみを感じなくなるという面があると思いますし、それはどんな文明の利器でも同じことなのかもしれません。
また私たちは生きるために働かなければいけませんが、
何かを売る仕事をしていたとしても、他の企業との競争もありますし、
何かを作っていて他の会社と競合するようになれば、売るために価格を下げようという競争が起こることもあれば、
現在ではグローバル化の影響もあり、世界の企業との競争を余儀なくされる場合もあります。
私たちは「競争社会」で生きていますので生活の一つ一つが楽になったとしても、
仕事をする上では新しいモノを作ることを求められたり、新しいサービスを提供することが求められたり、
消費者の要求に応えることやライバル企業との競争に勝ち残るという競争が余儀なくされています。
そうした競争の原理が人間社会に働いている以上、文明で生活が楽になる部分はあるとしても、
文明で生きることまでは楽にはならないと言えるのかもしれません。
ただ文明の大きな利点として、分からないことが分かるようになることが挙げられると思います。
昔は災害などの原因も分かりませんでしたので、
悪いことが起きるとそれを鎮めるために人柱が捧(ささ)げられることもありました。
現在では地震の原因も大地が動いていることが分かってきましたし、
病気の原因もウイルスや菌が引き起こすことが分かってきましたので、
先ほど書いた人柱が求められるようなことは無くなりましたが、
文明により分からないことが分かるようになってきたことで、不安が少なくなったこと、
そのために必要のない犠牲を伴う必要が無くなったことは文明の大きな利点だと思います。
終わりに
自然の生き物たちは、生存競争という熾烈(しれつ)な競争を余儀なくされていますが、
人類はそんな生存競争とは無縁な生活を送れるようになっています。
ただ人間社会にも競争の原理はあり、その競争の原理が優れたものを発明・開発する動力になる一方で、
人と人が争い、国と国が争うことも起こってきました。
自然の生き物は生存競争を繰り広げていますが、人間社会にも競争の原理が働いていることを考えると、
文明を築いたとはいえ人類も自然の生き物と同じように、競争の原理からは逃れられないような、そんな気がします。
ただ自然の生き物たちは厳しい生存競争を繰り広げていますが、
その競争が生命の進化を促(うなが)したことも事実だと思いますし、
そのためにこの地球は多種多様な生命で満ちあふれた星になっています。
またそれは人間社会も同様で、競争社会だからこそ技術の進歩も目覚ましく、
優れたモノやサービスが速いスピードで生み出されてきたことも確かなことだと思います。
そんな競争社会の中で良い物を作り出し、良いサービスを提供して、人の役に立とうとする気持ちを持てれば、
競争社会も悪くないものなのかもしれません。