自分は何者なのか?というのは根源的な問いになりますが、
そもそも私たち人間とは何なのでしょうか?
人間は他の動物との違いがありますが、
他の動物たちとの違いから人間の本質が見えてくるかもしれません。
目次(複数ページに分かれた記事もあります)
人間とは何か?言葉を使いこなし文明を築いた地球上の強者
(出典「イラストAC」)
人間とは、ホモサピエンス・ヒト科です。
と言っては元も子もありませんが、
他の動物にはない人間の大きな特徴の一つとしては、複雑な言葉を使うことが挙げられます。
他の動物でも、何らかの合図や気持ちを伝え合うために声を発することがありますが、
人間ほど複雑な言葉を使いこなす動物はいません。
また人間は文字を生み出しました。
文字があるがゆえに、これまで起こってきたことなどを記すことができるようになったため、
例えば何かの研究成果を誰かが成し遂げれば、次の世代の人たちはそこまでは分かっていますので、
「そこから先」の研究を行うことができます。
そのことが文明を発達させてきた原動力だったと考えられますし、
文字が無ければ新しい世代の人たちは、先人の研究をまた繰り返す必要があったと思われます。
そういう意味で言葉や文字が文明を築いたと思われますので、言葉や文字は人間社会に大きな影響を与えてきたと考えられます。
そして言葉や文字によって文明を築き、道具を使いこなしてきた結果、
人間は地球上では食物連鎖の頂点に立つに至っています。
人間とは何か?蓄えることを知り、お金を使う存在 そのための代償も
(出典「photoAC」)
人間は農業という、食料を作る術を身につけました。
そのため食べる不安からは解放されたと思いますが、同時に蓄えることを知ることになりましたし、
蓄えられることで富が生まれ、人間社会には貧富の差が生まれたと考えられます。
そして貧富の差があるために、人間社会は富む者と貧しい者に分断されやすくなったかもしれません。
また人間は当たり前ですがお金を使います。
お金は非常に便利なものですが、何とでも交換できるという特徴がありますし、
腐りませんしそのため子供に相続することもできますので、
いくらでも蓄えよう、蓄えたいという欲望も人間には芽生えてきたと思います。
また相続できるというお金の性質ために、
富む者の子孫はより富みやすくなり、貧しい者は富むことが難しいという、
「社会階層の固定化」という現象が起こりやすくなったと考えられます。
自然に生きる生き物たちは、食べ物を蓄えたとしてもいつか腐ってしまいますので、
蓄えすぎることに意味がないことを知っているのかもしれませんし、そのため必要以上に蓄えないようにしているように思えます。
それは必要以上に欲張らないことにつながっているのかもしれませんし、
反対に人間は欲が深くなったと言えるのかもしれません。
また例えばたくさんのお金があれば、一生楽をして暮らすこともできます。
それは自然界の生命には考えられないことだと思いますし、
いつも食べ物を得るために、また他の動物に食べられないようにと、ずっと動き続けていなければなりません。
ある意味では人間以外の生命は、楽をして暮らすことができると考えることもないかもしれませんが、
蓄えることを知り、お金を使う人間は、心のどこかで楽することを求める動物なのかもしれません。
人間とは何か?権力の構造を持つ社会
(出典「photoAC」)
また人間は権力の構造のある社会を築いています。
もともと昔から集団で生活していた時から、群れのリーダーは必要だったと思いますが、
いつの頃からか国を作り、国家権力を持ち、人々を支配する構造を持つ社会を作り上げました。
→国とは何か?国の成り立ちと国のあるべき姿とは?国のなすべきこと
またその権力の構造は、上に立つ人が楽ができる構造でもあったと思います。
現在では憲法があり、憲法は権力者を縛るものという位置づけですし、
文明の発達もあり、権力者の悪さは人に知られやすくなっていますので、
徐々に権力者の優位性に変化が起きていると思います。
また本当は上に立ったとしてもやるべきことがありますし、
上に立つ人は本来は、他に人には背負えない重荷も背負っていると思いますが、
強引な権力の使い方で自分勝手な振る舞いができる場合もあり、
社会の上に立つと楽ができると考えがちな面が、人間にはあるのかもしれません。
人間とは何か?愛を求める生き物
(出典「photoAC」)
人間は昔から集団で生活をしてきたと考えられますが、
そのために群れへの所属の欲求という気持ちを、いつも抱(いだ)いてきたと思います。
一方で猫を見ると、単独行動で生きることに特化してきたからなのか、
群れへの所属の欲求という気持ちは薄いように思えます。
群れを作る生き物には共通している気持ちかもしれませんが、
群れへの所属の欲求、群れで認められたいという欲求が人間にもあり、
そのために人間は、心のどこかで人からの愛を求める生き物と言えると思います。
人は一人では生きていけない、というのは、
群れで生き延びてきた過去の人類の歴史がそうさせるのかもしれません。