善悪とは何か?個人や集団の善悪と、善であろうとすることで起こす悪

善悪とは 集団や組織の都合による善悪


(出典「photoAC」)

また善悪は、自分が所属している集団や組織にとって、

良いか悪いかで判断されることもあると考えられます。

自分が所属する集団としては、一番小さい範囲では家族になり、

組織としては、働いている会社などが該当します。

もっと大きくなれば国になることもありますが、

例えば戦争が起こっていれば、自分たちの「国」という集団とは、

敵対する国の人を攻撃して、殺害することは良いことだとされますが、

平和な時代では、そうしたことが良いことだとはされません。

ですので集団や組織にとって良いか悪いかで、善悪が判断されることがあり、

そうした集団や組織で判断される善悪の価値観は、時代によって変わると考えられます。

また集団にとって良いか悪いかで、善悪が判断されることもありますので、

対立する集団があれば、ある集団の人にとって善であることは、

他の集団の人にとっては悪いことになります。

そういう意味では、それぞれの集団の人たちには、それぞれの正義があると考えられますし、

善悪は所属する集団によっても違いが出てくることがあると考えられます。

その背景にあるのは、人の心には、

群れへの所属の欲求が存在することが挙げられます。

群れへの所属の欲求、

それは人に認められたい、愛されたいという気持ちだと考えられますが、

私自身もそうですが、人間誰しも多かれ少なかれ、そうした気持ちを抱えているとは思います。

ですので、その集団の中で愛されるための行動を、

人は出来る限り、取ろうとするのだと考えられます。

そういえば「史記」という中国の歴史書には、

「士は己を知る者のために死す」という言葉がありますが、

自分のことを認めてくれる、または受け入れてくれる人のために、

頑張ろうとするのが人の心なのかもしれません。

スポンサードリンク

善悪とは 社会全体としての善悪と個人に及ぼす影響


(出典「photoAC」)

先ほどは、それぞれの集団や組織にとって、

良いこと悪いことが、善悪のベースになると書きました。

集団や組織のことだけを考えていると、

ある集団があれば、必ず違う集団は存在しますので、

それぞれの都合や正義があり、どうしても対立軸が生まれると考えられます。

ただそうした自分の所属している集団や組織を離れて、

人間社会全体として、良いことか悪いことかを判断することもあり、

社会を基準に考えられる善悪は、社会善、社会悪と言われます。

ただ社会としての善悪よりも、

集団としての善悪の方が、通常は優先されることが多いと考えられます。

例えば環境を破壊することは良くないことではありますが、

私自身がそうなのですが、ついうっかりと電気を無駄遣いしてしまうことがあります。

社会的な善悪とされることが、ただちに私たちの実生活に影響を及ぼすことは少なく、

実生活に及ぼす影響の度合いを考えると、

社会的な善悪は、集団や組織での善悪に比べると、

個人の行動に及ぼす影響の度合いは低いと考えられます。

ただ本当の善悪を考える時には、

少なくとも自分の都合からも離れて、自分の集団の損得や都合からも離れて、

相手のことや他の集団のことを、充分に考慮に入れて、意見を取り入れて、

社会全体、人類全体の枠組みで考えることが必要なのかもしれませんし、

そうすることで対立軸を生み出しにくくすることは可能なのかもしれません。

スポンサードリンク

終わりに


(出典「photoAC」)

善悪は、一個人の善悪から、

集団や組織での善悪、社会としての善悪があると考えられます。

また善や正義だと思っていることが、

本当に人類全体、社会全体としての善や正義なのか?という視点で、

疑問を持ち続けることは必要なのかもしれません。

ある考えを善や正義だと思い込んで、ずっと疑問を持たなければ、

どこかで間違った考え方をして道を踏み外してしまうと、

過去に犯罪を犯したオウム真理教のように、

集団全体が間違った方向に進んでしまうのかもしれません。

少なくとも自分にとって都合が悪いという理由だけで、

他人を力で排除しようとしてしまったことが、オウム真理教の犯した過ちだと考えられます。

そのように集団全体が誤った方向に進まないためには、

他人の意見に耳を傾け、善や正義だと思っていることに疑問を持つことが必要だと考えられます。

また集団や組織が一色に染まることは、誤った道を突き進むという危険性もありますので、

そうした危険性の芽を摘み取るためには、

多様な議論を認め合うことが必要になることは、言うまでもないことなのかもしれません。

そういえばドラえもんの名シーンとして、

しずかちゃんがお嫁に行く場面を個人的には思い出します。

その時にしずかちゃんのお父さんが、

のび太を評して言った一言を覚えている方は多いと思います。

“あの青年は人のしあわせを願い、人の不幸を悲しむことのできる人だ。

 それがいちばん人間にとってだいじなことなんだからね。”

こうした人間性を育み、継続していくだけで本当は充分なのかもしれません。

スポンサードリンク

良かったらこちらを