日本では宗教と聞くと、私自身はあまり良くないイメージがあり、日本の多くの方はそうした印象をお持ちかと思います。
ただ世界を見ると宗教を信仰している人は多く、グローバル化が進み世界の人と交流を深めるにあたっては、宗教を知ることには意味があるように思えます。
ここでは様々な宗教を個別に見ていくわけではありませんが、宗教とは何かについて考えていきたいと思います。
またここで書くことはあくまで私自身の考えであって、私自身は宗教に関係する人間ではありませんので、そのことを先にお断りしておきます。
目次(複数ページに分かれた記事もあります)
宗教とは何か 宗教が生まれた背景にあるものは
(出典「photoAC」)
宗教は、仏教やキリスト教など様々なものがありますが、そうした誰かが始めた宗教以前から「自然崇拝」という考えがあったと思われます。
食べ物や道具になるものなど、生きるために必要なものは身近に存在していますので、そうした生きるために必要なものを与えてくれる「何か」に感謝していたと思われます。
ただ生きるために必要なものを与えてくれる「何か」は、時に大きな災害を引き起こしたり、疫病が発生し多くの人が亡くなったりすることもあり、昔の人たちもそうしたことを非常に怖れていたに違いありません。
その何かは現代では「自然」と言えるように思えますし、そうした自然崇拝の考えはどの国どの地域の人も抱いていたのだと思います。
また現代と違い自然の動きや病気の原因など分からないことが多かった時代には、身近なあらゆるものに精霊や霊魂が宿り、様々なことは精霊や霊魂が引き起こすと考えられていたように思います。
そして精霊や霊魂を鎮めるためにお祈りやおまじないが行われてきたのだと思いますし、そう考えると宗教が作られた背景には人々の分からないことに対する不安があり、その拠り所として宗教が作られたのだと思います。
また世界には一神教と多神教が存在していますが、
一神教では、自然を神だと認識してその神を崇拝するもの、
多神教では自然の作り出したもの、例えば火や水などの神を崇拝したり火や水などに精霊が宿ると考えて、そうした精霊を崇拝したりするもので、
どちらも崇拝しているのは同じ「自然」だと考えれば、一神教も多神教もその原点はどちらも同じだと言えるように思います。
宗教とは何か 宗教の本来の役割とは
(出典「photoAC」)
その後、仏教やキリスト教など様々な宗教が生まれましたが、そうした宗教に共通するのは、
・神仏の存在がある。
・死後の世界観があり、どう生きるべきかという規範や死生観がある。
・それらに関する体系化された教義があり、定められた儀式が存在する。
といった点が挙げられると思います。
また宗教は人々の分からない不安に対する人の心の拠り所になってきたことや、心に安らぎをもたらしてきたことに、その大きな役割があったと考えられます。
宗教の教えにより、または信仰することにより心が穏やかになり心が落ち着き安らかに過ごせるようになれば、そこに宗教の大きな役割があると言えるように思えますし、
宗教を志した人にとっては何事にも「捉われない心」を育み、精神世界を極めることや悟りの境地を得ることに、宗教の本来の意味や真髄があるように思えます。
そういう意味では人の不安をあおるようなものは宗教とは言えないように思えます。
また天国や地獄といった死後の世界の価値観により、人を善に導くといった役割が宗教にはあったものと考えられます。
また分からないことが多かった時代には、その理由づけが宗教によって行われてきたと考えられますし、
それは先ほど書いたような精霊や霊魂の存在だったと考えれますし、精霊や霊魂を鎮めるために様々な儀式が生み出された側面はあったのかもしれません。
ただ科学によって様々なことが解明されてきた現代では様々な現象の理由が分かってきて、それが精霊や霊魂の働きではないことが明らかにされてきていますので、
科学を信じる人たちにとっては精霊や霊魂から物事を説明するという、宗教のそうした役割はその意味が薄れてきているのかもしれません。
ただ宗教の儀式の中には自らの心の安らぎのために行われるものもあり、そうした儀式については宗教を信仰する人にとっては意味があるものと考えられます。
また神や仏を信仰することで心の安らぎがもたらされることに宗教の役割があると考えられますが、
神や仏を信仰して自分の得になることを願ってはいけないのかもしれません。
ゲンを担ぎたいという程度の気持ちは私にもありますが、少なくとも自分の欲のために神や仏を利用してはならないとは言えるようには思えます。