歴史とは何か?歴史を学ぶ意義とは?歴史認識と時代背景の関係

歴史認識は時代背景を踏まえた上で


(出典「photoAC」)

また日本は確かに他の国を侵略しましたが、現代の価値観や常識だけで過去の歴史の出来事を評価することには個人的には疑問もあります。

その時代にはその時代を今の私たちのように生身の人間が生きていて、

その時代にはその時代の常識や風潮、価値観があり、

その時代の一般的な常識や風潮、価値観を無視して行動することは、今の私たちでも難しいことだと思います。

当時には力で他の国を支配することが常識でもあり、力をつけた日本が他の国を侵略したことに対して当時の日本人は疑問を抱かなかったと思います。

ある意味では時代が日本をそうさせたと言えるかもしれませんし、朝鮮半島は日本と距離的に近いですので、

力で制することが当たり前という時代に、ソ連など他の国に朝鮮半島を取られてしまうと日本を攻撃される恐れが高まることも考えられます。

そういう事態を考えて日本も出て行かざるを得なかったと言われていますし、そうした朝鮮半島をめぐる対立から日清戦争が起こったと言われています。

明治維新以来、日本の対アジア外交の中心は朝鮮に向けられていた。

欧米列強の東アジア進出に強い危機感を抱いていた日本政府は、朝鮮が列強、とくにロシアの勢力下に入れば日本の国家的独立もまた危うくなると恐れた。

そして、それ以前に日本の主導権で朝鮮を独立させて日本の影響下におき、列強と対抗しようと考えていた。征韓論や日朝修好条規の締結もそのあらわれであった。

しかし、朝鮮を属国とみなして宗主権を主張する清国は、こうした日本の朝鮮政策を認めず、両国はしだいに対立を深めることになった。

日清戦争の主要な原因は、このような朝鮮問題をめぐる日清間の政治的・軍事的対立にあった。

(引用元:もういちど読む 山川日本近代史 山川出版社 P86~87)

私自身は日本人ですので、私の歴史認識は日本の立ち位置での歴史認識だとは思いますし、他の国の人がその国の立ち位置での歴史認識があることも一方では当然ではあるように思います。

相手の出方にもよりますが、できる限り相手の立場も考えてみることで分かり合えることもあるのかもしれません。

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歴史とは何か?歴史を学ぶ意義とは?


(出典「photoAC」)

また歴史を学ぶことの意味や意義としては、歴史は教訓になることが挙げられます。

歴史には権力者の姿も描かれていて、中には名君もいますが、暴君や政治を顧(かえり)みずに遊びに興じる権力者の姿も描かれています。

またそうした暴政や政治を顧みない権力者が、政治を腐敗させ国を弱体化させることもあり、それゆえ国が滅んだと伝えられる話もあります。

権力者が行うことは、その時代を生きる人たちに影響を与えますので、できる限り善政が敷かれることが望ましいですが、

権力者だけに自分の思い通りになることも多く、そのためタガが外れてしまうこともあるのだと思います。

そんな権力者の姿は、人間の本質や限界を表しているのかもしれませんし、それは誰が権力を握っても起こり得ることなのかもしれません。

そう考えると権力者を監視したり、縛る仕組みも必要だという社会の仕組みとしての教訓が歴史から得られてきたと思います。

憲法は権力者を縛るもの、という位置づけですので、政治家や官僚など政治に携わる人たちには憲法を守る姿勢が望まれますし、

メディアも権力者とは距離を置いて、権力者をチェックする役割が求められると言えます。

また民主主義で選挙権が与えられている中で、投票権のある私たちも充分に政治をチェックした上で投票権を行使する必要があるのかもしれません。

また歴史には多くの人々の物語があります。

悪い例もありますが偉人の物語があり、その中には教訓もあれば、その気高い精神性や生き様を垣間見ることもできます。

歴史を知ることで自分の人生に役立つ教訓を知ることができたり、偉人に学ぶことができることも歴史の意義の一つと言えると思います。

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終わりに

歴史には権力者や過去の偉人の物語が記されていますが、私たちのような一般人にもそれぞれの物語がありますし、歴史の表舞台に登場する人は少ないとしても、

今を生きる私たちのようにその時代時代に確かに多くの人たちが存在して、歴史上の人物の影響を受けたり時には世論を形成して影響を与えたりしながら、

歴史の底流で多くの場合は影の存在でありながらも、時に革命など大きな奔流(ほんりゅう)になれば、歴史を動かしてきたこともあります。

そう考えると一般市民を侮るなかれ、ということも歴史の教訓なのかもしれません。

また多少なりとも歴史が好きな私としては、やはり歴史はロマンだとも思います。

博物館に行って太古の古びた鋳造物を見ても、そこに悠久の時を思いますし、

歴史に登場する人物たちの物語もあり忠臣蔵のように長く愛される物語もあれば、戦国の物語や明治維新に活躍した英雄や偉人に心惹かれることもあります。

歴史を楽しんでその中で何か感じるものから、人生に活かせるものが見つかるかもしれませんし、

歴史上の誰かの人物の言動や物語に、現代の私たちが感じるものが歴史のロマンと言えると思います。

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